トルコで食べられているケバブを10種類順番にご紹介します。

日本の屋台にあるケバブは「ドネルケバブ」と言う
日本の屋台で売られている、大きな肉の塊から肉をそぎ落として売っているケバブって、本場トルコでは「ドネルケバブ」っていう名前なんです。
「ケバブ」と言っても、その種類は色々あるんですよ。
トルコ在住の筆者も、実は一番好きなケバブは「ドネルケバブ」ではありません。トルコでドネルケバブは、”手軽に食べられるお手頃ケバブ”として人気。
ちなみに、ケバブはお家で楽しむこともできますよね。通販ではこんなケバブセットも人気ですよ。
ケバブセットならお肉の味付けはもちろん、ケバブソースまで付いてくるので準備がとってもラク。
さてここからは、本場トルコで食べられている「ケバブ」の種類をご紹介いたします。
まずはともあれ、「ドネルケバブ」
ケバブはドネルケバブだけじゃないと言っておいてあれですが、まずは「ドネルケバブ」から紹介させてください。
トルコではB級グルメ的に食べられている、比較的リーズナブルなケバブがこの「ドネルケバブ」なんです。
大きな肉の塊からそぎ落としたジューシーな肉を、ご飯の上に乗せたりパンや薄いナンのような生地に挟んだりして食べます。
比較的安い肉が使われているので、ケバブの中でもお手軽に食べられる部類です。
ちなみに、あの肉の塊がどうやって出来ているか知っていますか?
実は、長い棒にスライスされた薄い肉を何枚も突き刺していくことでできているんです。ブロック肉ではありませんよ。
この動画を見てもらったら分かると思います。
フランスの動画ですが、ヨーロッパでもケバブ(ドネルケバブ)は人気の軽食スナックだそう。
動画の1:00あたりから、肉の塊を作るシーンです。
個人的に大好きなケバブ「アダナケバブ」
アダナケバブとは、トルコの「アダナ県」で有名なケバブです。
アダナケバブには、主に子羊肉のミンチ肉が使われます(牛肉ミンチを使うこともあります)。
子羊の肉なのでクセが少なくとても美味しいです。
スパイスの効いた、長いハンバーグっぽい感じです。
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ミンチに玉ねぎやパプリカ、スパイスを加えたあとに専用の平べったい棒に指で肉を付けていき、そのまま焼いたら完成です。
指で棒に肉を付けていくので、独特の波打った形があるのが特徴です。
脂分の多い肉を使うので、ジューシーでとってもおいしい。
ピリリと辛い「ウルファケバブ」
ウルファケバブも、ウルファ県のケバブだと言われています。
トルコ人の中には、「ウルファケバブ」も「アダナケバブ」の一種だと言う人もいますし、別ものだと言う人もいます。
実際、出来上がった見た目はそっくり。
唯一違うポイントは、ウルファケバブには「ウルファチリ(アレッポチリ)」というチリフレークが入っていて、そのためアダナケバブよりもピリリと辛いのです。
それ以外の材料、子羊ミンチ肉を使うところや、平べったい棒に指で付けていき波打つ模様があるところなどは同じです。
「辛いアダナケバブ」って覚えてください。
上質な羊肉で作る「イスケンデルケバブ」
イスケンデルケバブは、イスタンブール県の下にあるブルサ県のケバブだと言われています。
ドネルケバブ同様に肉の塊からそぎ落とした羊肉(場合によっては牛肉)を使います。
一般的に、ドネルケバブよりも上質な肉が使われているため、とってもおいしいのです。
薄く焼き上げたパンの上にヨーグルトや野菜を盛り付け、そぎ落とした肉を乗せてソースをかければ完成です。
ヨーグルトが必ず乗っていることがイスケンデルケバブの特徴と言えます。
ちなみに、画像の「HD iskender」はイスタンブールで人気のあるイスケンデルケバブのお店です。
棒に刺さった肉と野菜「シシケバブ」
一口大に切った肉を、棒に突き刺して焼いたのがシシケバブ。
ステーキ感覚で楽しめるのがシシケバブの特徴。味付けも非常にシンプルに塩のみです。
シシケバブの肉は鶏肉や羊肉、牛肉などなんでもありです。
せっかくなら、美味しい羊肉をそのまま楽しめる羊肉のシシケバブがおすすめです。
カッパドキアで有名な「テスティケバブ」
イスタンブールからちょっと離れた場所、世界遺産の都市として有名なカッパドキアで有名なのがこの「テスティケバブ」。
テスティとは土で作られた壷を意味します。
そして、テスティケバブはその名のとおり、壷に入ったケバブ。
レストランでテスティケバブを注文したら、この壷を目の前でかなづちで割るというパフォーマンスを見せてくれます(お店によっては割らせてくれるところもあります)。
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テスティケバブは、羊肉や各種野菜をトマトで煮込んだ煮込みケバブです。
じっくり窯で焼き上げるので、お肉が柔らかく、野菜の旨味も引き立っていてすっごく美味しいです!
日本人が食べてびっくりするようなスパイスは使われていないので、比較的日本人受けのよいケバブです。
カッパドキアで有名ですが、イスタンブールのいくつかのお店でも売られています。
中でも、アヤソフィアやスルタンアフメットジャーミに近い「istanbul anatolia cafe and restaurant」というレストランは評価も高く、テスティケバブが美味しいそうです。
トラムバイの「スルタンアフメット駅」から歩いてすぐのところですね。
住所: Divanyolu Cad. Ticarethane Sok. No 21/A Sultanahmet, Istanbul 34000, Turkey (Sultanahmet)
タイムを食べて育った子羊の肉「クユケバブ」
タイムというハーブを聞いたことがあると思います。肉料理によく使われるハーブですね。
このタイムを食べて育った子羊の肉を、大きな井戸の中で2時間じっくりいぶして作られるのが「クユケバブ(Kuyu Kebabı)」です。
トルコのアナドル地方(トルコの東側を指す)のケバブと言われています。
イスタンブル内の全てのレストランにあるケバブではないので、もし見つけたらラッキーですよ。是非注文してみてください。
このクユケバブ、場所によって名前が変わり「ブルヤンケバブ(Büryan Kebabı)」「タンドゥルケバブ(Tandır Kebabı)」とも呼ばれています。
参考:Nokta Tesisleri「KUYU KEBABI」
薪火でじっくり焼かれた子羊肉「ジャーケバブ」
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ジャーケバブ(Cağ kebabı)もまた、トルコのアナドル地方(トルコの東側)で有名なケバブです。
人気のあるケバブなので、イスタンブールのレストランでも見つけることができます。
ジャーケバブは、子羊の腕やモモ肉をスライスし(ドネルケバブよりは厚く切るようです)、棒に突き刺し焼いていきます。
ここまではドネルケバブに似ていますが、違いは、松の木を薪にしてじっくりと焼かれていること、そして中心部分がうっすらピンクになるくらいの絶妙な焼き加減なこと。
焼き上がったら、一口大くらいに削りとっていき「ジャー」と呼ばれる菜ばしくらいの長さの棒に突き刺して食べます。
玉ねぎが添えられることが多いです。
ケバブ自体の味付けは塩と胡椒、赤とうがらしのみとシンプルです。
その分、おいしい子羊の肉を使いじっくりと手間隙かけて焼き上げることが重要になってくるのですね。
参考:Kebab Uzmani「Cağ kebabı Nedir?(ジャーケバブって何?)」、gönül「Erzurum ve Cağ Kebabı / Şaban Çakır(エルズルム地方とジャーケバブ/シャバン・チャクルさん)」
トマトベースの煮込みケバブ「オルマンケバブ」
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オルマンケバブ(orman kebabı)とは、サイコロ状の牛または羊肉を野菜と水、サルチャ(トマトペースト)で煮込んだ煮込みケバブです。
カッパドキアのテスティケバブは、壷焼きですが、オルマンケバブは家庭鍋で簡単に作られます。
日本人にもなんとなく馴染みのある美味しいケバブ。
先ほどの「クユケバブ」や「ジャーケバブ」と違い、簡単に作れるのでトルコの家庭料理ということができます。
ケバブというと「焼いた肉」というイメージが強いですが、このように煮込んだ肉のケバブもあります。
一般的に、肉料理は総称的に「ケバブ」と呼ばれます。
クレープ包みのケバブ「ベイティケバブ」
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ベイティケバブ(Beyti Kebab)とは、牛または羊のミンチ肉を、クレープ状に薄く焼き上げた「ユフカ」と呼ばれる生地で巻いて、オーブンで焼き上げた料理です。
こちらも、お家で出来る簡単ケバブですね。
ソースは、トマトやバター、塩で作ったトマトベースのソース。
加えて、ヨーグルトが一緒に添えられることが多いです。
おすすめの「ケバブ」は?
このように、トルコで食べられるケバブには非常にたくさんの種類があります。
ケバブ初心者の人におすすめのケバブは、ケバブの王道とも言える「イスケンデルケバブ」や「アダナケバブ」、「ドネルケバブ」です。
次いで、トルコでとても人気がある「ジャーケバブ」も是非食べてみてください。
トルコのおいしい羊肉を味わえば、きっとあなたもケバブのとりこになるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。